第22回参議院選挙闘争
1.これまでの経過
(1) 自治労は昨年の総選挙において、それまでの自公連立政権が進めてきた市場原理主義、行政の縮小にNO を突きつけ、歴史に残る政権交代を果たしました。今回の参議院選を小泉構造改革がもたらした格差社会からの脱却と勤労者の生活改善、地域社会を支える公共サービスの再生と強化を確かなものにするための重要な選挙と位置づけ、総力をあげて取り組むこととしました。しかし、新政権発足後、政治と金の問題や普天間基地の課題に対し国民の信頼を失う形となりました。その後を受けた菅政権は、医療、福祉などの分野に財政出動することで雇用や消費を増やす「第三の道」を揚げ「強い経済、強い財政、強い社会保障」の実現を打ち出しました。自治労もまた「構造改革路線」からの明確な転換を訴えてきた立場からすれば、基本政策は、積極的に支持できるものであり具体的課題を実行していくためには政権基盤を安定的なものとすることが不可欠としました。さらには、自治労が、政権政策に対し積極的に意見反映を行っていくためには、比例区における組織内候補の勝利を勝ちとらなければなりません。具体的な対応は、連合の統一対応を基礎に民主党への支援・協力を基軸とし、組織内候補・推薦候補の勝利をめざし、参院選比例代表選、県選挙区選挙をたたかうこととしました。
(2) 連合福島は、第22回参議院選挙における県選挙区選挙を取り組むにあたり4月8日に第9回執行委員会を開催し、県選挙区選挙で「ましこ輝彦」氏を推薦することを決定しました。
(3) 自治労県本部は、第22回参議院議員選挙に向け昨年の第85回定期大会で自治労組織内候補者「えさきたかし」氏(民主党)を比例代表選挙候補として推薦決定し当選に向けて取り組むこととしました。さらには、4月9日に第8回中央執行委員会を開催し、県選挙区選挙で「ましこ輝彦」氏を推薦決定しました。
(4) 福島市職労は、昨年の第72回定期大会で第22回参議院議員選挙を取り組むにあたり方針を決定しました。そして、「参議院選における安定多数の実現を目指し民主党を中心とする民主・リベラル勢力の総結集をはかり、「自由・公正・連帯の社会」「労働を中心とした福祉型社会」の構築、質の高い公共サービスの実現をはじめ、自治分権改革、労働基本権回復など自治労政策課題の前進を目指す」としました。具体的候補者名は、参議院比例代表選挙は自治労組織内候補者である「えさきたかし」氏を推薦決定しました。さらに県選挙区選挙では、連合福島・自治労福島県本部の推薦決定を踏まえ「ましこ輝彦」氏を推薦候補者として取り組むこととしました。
2.具体的なとりくみ
(1) 現業協幹事会においての学習会の取り組み
「労働組合と政治闘争の目的と参議院選挙の意義について」と題し、丹野副委員長を招き「政治活動の活性化・労働組合と政党の関係・2009政権交代と2010参院選挙の意義について」を内容とした学習会を行い闘争の意義や目的の全体化を図るため学習会を開催しました。
(2) サポーターカードの取り組み
比例代表選挙・県選挙区選挙の浸透を図るため、サポーターカードの取り組みを強化し、組合員、家族、友人、知人を中心に「1組合員6人の紹介」を目標に取り組みを進めました。
(3) 「県本部政治集会」の取り組み
5月15日、福島県青少年会館において「県本部政治集会」が開催され参議院選挙候補者「えさきたかし」「ましこ輝彦」両氏を迎え、第22回参議院選挙に向けた闘争意義や課題について講演がありました。市職労現業協・青年部・女性部補助機関組合員は、講演を通し両候補者の政治姿勢を確認し選挙戦勝利に向け取り組む集会となりました。
(4) 組合員「政治意識調査」の取り組み
第22回参議院選挙を向かえるにあたり、市職労執行部方針が職場・組合員に徹底されることが重要と考え、年齢・性別・職種を無作為に抽出しアンケートを実施し補助機関組合員の政治意識の調査を行い、参院選に対して組合員の意識の活性化を図りました。
3.第22回参議院選挙結果について
6月24日公示、7月11日投票
【福島県選挙区】(定数2)
県内得票数 | 福島市得票数 | ||
当 | ましこ 輝 彦(民主、現) | 340,947 | 45,033 |
当 | 岩 城 光 英(自民、現) | 338,265 | 42,563 |
岡 部 光 規(民主、新) | 155,262 | 21,364 | |
菅 本 和 雅(みんな、新) | 93,758 | 13,537 | |
岩 淵 友(共産、新) | 64,209 | 11,690 | |
投票率 | 61.62% | 57.88% |
【比例選挙区】
全国得票数 | 県内得票数 | 市内得票数 | ||
第10位 当 | えさき たかし(民主、新) | 133,248 | 2,385 | 921 |
投票率 | 57.92% | 61.62% | 57.88% |
4.たたかいの総括
選挙の結果、市職労の推薦する「ましこ輝彦」氏は県選挙区においてトップ当選をはたし、「えさきたかし」氏も比例区・民主党内候補で10位の得票数で当選し、ともに当選をはたすことが出来ました。しかし、民主党は改選議席54を大きく下回り、44議席にとどまる惨敗でした。非改選(62議席)を含めると106議席で、今回の選挙では国民新党と合わせても与党として過半数を確保することが出来ませんでした。
結果、衆議院で与党が過半数の議席を持つ一方で、参議院では野党が過半数の議席を維持するという「ねじれ国会」が生じることとなりました。自治労では、組織内候補者「えさきたかし」氏が133,248票を獲得し初当選をはたしましたが、前回の参院選の得票数を大きく下回り最も少ない得票数となりました。
市職労でも同様に、市内の得票数が前回の得票数を大きく下回り1,000票を割り込む結果となりました。候補者名を記載する「非拘束名簿方式」という複雑な選挙制度や、与党・民主党への逆風など諸要因はあるものの、市職労の方針や候補者名が職場や家族にまで浸透しきれなかったと反省せざるを得ません。私たちは、労働組合の立場で与党・民主党に対し、掲げる制度・政策の実現を強く求めて行かなければなりません。そして丁寧な方針提起ときめ細かな運動展開が今後も重要であると考えます。